
私達夫婦は自らの不注意により、イチを見失った…
夜

『イチ

首輪と鎖を繋いでいた金具が、まるで人間の手によって外されたかの様に…
私は仕事帰りにスーパーで買い物中に『奥様』より連絡を受けた

帰路、あらゆる可能性を考え車を走らせた

車から降り、雪山を掛け上がり、夜中まで探した…
高齢で体力も落ちている、「そんなに遠くには…」…
そう考えたが見当も付かない…
結局、『イチ

その日から『奥様』は毎日、私は休みを利用し、『役場』『管理センター』『保健所』『警察署』『交番』『派出所』『駐在所』Etc.Etc.…
思い付く限りの届け出を近郊市町村に行い、『奥様』が作った貼り紙を人の集まりそうな場に協力を得、貼って貰った…
何一つと手掛かりは無い…
3月23日

作業中に『奥様』から連絡…

「『イチ

18日の夜に、その御宅の車庫に入り込んでいるのを住人の方が確認していたそうです…
衰弱していて、「朝までもたないかも…」…そう感じたそうです…
その御宅は、私の家から見える範囲に有る御宅で…
18日に探していた時に『敷地』に足を踏み入れました…うっすら残る雪の上に、動物の足跡を見付け

でも、その御宅にも犬が居て、その時は何時もの場所に繋がれては居らず、夜は奥の納屋か何処かに入れているんだな…
其所で鳴いてるんだろうな…そう思っていました…
後に成って考えると『イチ

私が探しに行った時には既に『イチ

只、夜遅くの時間に

その場を後にしました…
私は『イチ

駄目な『飼い主』何ですね…
帰宅すると『奥様』が『イチ

18日の夜に居なくなり…19日の未明には既に息絶えていた『イチ

23日の夕刻、我が家へ戻りました…
会社で連絡を受けてから
